私自身の人体実験で「歯の接触」を観察してみますと 決して
矯正のような綺麗な外観だけ捉えるのでは無く
一日数分しか「歯は接触していない」と捉えるのでは無く
「顎が片寄っていない」事を良しとだけ捉えるので無く
これら一つ一つを診断学として 解明する必要性に迫られます

このサイトの基本メカニズムの各項目で、折々説明していますように、我々の左右顎関節は下の画像のような「回転ギア」のようにブレない中心軸のもと「同一形態の刃」が「接触させながら」パワー(力) を伝えている訳ではありません我々の左右顎関節は、時に「蝶番回転」しながら「前下方移動」「左右側方移動」し、当然ですが生涯に渡りブレやすい軸のもと「左右非対称形態の歯」を「接触させながら」口腔の上顎と下顎に存在します「硬組織」で止まる機構でありまして、

さて、パワー(力) とは ?  どんな種類があり ?   どのような伝え方になっており ?   時間の経過でどう変化している ?    のかじっくりと科学的に解明することで、「歯の接触」の役割を私たちに教えてくれます。(転じて 歯の接触していない状態も重要)

実際の天然歯のサンプルを使用した多数の解析のもと
導き出した「歯の接触理論」を私はまだ見かけません

前歯ガイド犬歯ガイド小臼歯ガイドディスクルージョン下顎の片寄り(偏位) 強く咬む軽く咬む安静位の量ズレ干渉 など
歯が「触れる」「触れない」の診断は殆ど手が付けられていませんが、身体との相関は無視できない事象だと感じます。

その方の個性 (人生) で 継続し 接触してきた形跡が
ファセット(摩耗面) ですので
各歯牙のガイドとディスクルージョン・顎の偏位
強く咬む・弱く咬む・安静位・ズレ・干渉 など
全て関連した基礎ツールとして学問にすべき
(先天的な歯牙形態は人類学的に数パターンに収まります)

必ずしもすべてのファセット面が「良い参考」になる訳でもありません。こちらは単歯での大臼歯咬耗面赤印でもって接触したであろうベクトルの表現 (動く方向と強さが現れたもの) をしてみました。この様に実際多くの面が現れていますが、ディスクルージョン形態・顎の偏位への対応・ズレ・干渉 などの貴重な資料です

上の単歯でのファセット(摩耗咬耗で出来た面) とは異なり歯牙が連なった(歯列・湾曲) 状態ですと、よりどの様ベクトル(動く方向と強さが現れたもの) 歯がすり減ってきたのか ? 診断しやすくなります。観察しますとファセット面が一直線上の平行では無く傾斜の異なる面各歯牙・各咬頭・各隆線 に現れ、すべて単一方向ですり減っている訳ではありません。つまり個々の歯はその萌出位置において「接触の方向」「接触する力の加減役割がある、という証拠の画像です

実は未だに「顎の片寄り」と言う 左右位置が「非対称な状態」
でのガイドとディスクルージョンがどうなっているのか ?
歯の「接触部」と「非接触部」ではどう対応しているのか ?
天然歯及び天然歯列を対象に証明された報告はありません

又「強く咬む」「弱く咬む」など「力量の差」による動作の違い
が「歯の接触」とどう反応を示すのか ?
(例えば 歯牙接触のズレ 歯牙接触の干渉 など)
調査され研究された報告はありません

歯が欠損した場合や 顎位が低いと予測された場合など
口腔内での歯牙どうしの「接触」だけでしか「高径」が計れない
多くのケース (硬組織の接触だけが生理では無い) において
「事実の検証」が必用です
「接触していない場合」の科学的学問も必要です

こちらは「頭蓋骨」と「歯列の形態」をイメージした基本的な「模式図」と重ねてみたものです。「フラット」と「斜面」では「接触」の様相がまったく異なり、動く方向で「高さ」が変わってしまう事が分かります。「傾斜面」の微妙な「形態」の違いがひとつひとつの「歯の接触状態」を変えてしまうのです。
つまり「顎の片寄り」にも、この「傾斜面の違い」がひとつの要因となります。

歯科業界において「咬合高径」という用語が存在しますが、イメージとしては「咬合高径」は「左右均等」で、「左右の歯列彎曲が非対称」だとしてもバランスを保っている (何となく咬んでいる) と認識していることが多いです。前方では左右バランスを保ち 後方の歯列では「左右非対称」であること事はよく診られる事象です。

しかし、長年観察していますと実際にはこのような事も起こっております。
「咬合高径」の「一方」が低くなっている。これには気づいて無い専門家も多く、たとえ気づいていても詳細に検証する専門家はほぼいらっしゃいません。

この様な事も
「片側」の「咬合高径」が低く、前歯部ではこの低い側に「片寄っている」
反対に、前歯部では低い側とは逆側に「片寄っている」

水平面からこの「片寄り」分類しますと この様にも分けられます。
専門家の一部の方では、「前歯部」と「顆頭部」とに分けて分類される事もあります。

矢状面からもこの様に「咬合高径」が「前方」「後方」で平行の場合もありますし、「前方部」「後方臼歯部」とで「差異」があるケースなど多々あります。こちらは専門家でも「前歯部」のオーバーバイト種の多さと「安静位」との相関から見極めしづらい事象ですし、「臼歯部」の残存歯の有無で見極めしづらい事象ですので、把握されてる方は少ない様です。

私の人体実験や臨床観察で得られました この「歯の接触」
に関わるすべての実態
「ファセットベクトルの方向・位置による差異」
「歯牙形態斜面」「歯列彎曲斜面」「顎位との相関」
「接触の強弱の相関」など
検証するには十分重要なことだと考えられます

具体的に 我々の無意識動作がどれだけ煩雑な作業か ?
上の「模式図」のパターンを例に 以下の画像を使って
「各斜面を咬ませる」シミュレーションしてみて下さい
メカニカルな関節機構と異なり 各筋肉収縮によって歯を
「触れ合わせたり」「触れ開けたり」を調整しています

こちらは、同じ方の「歯列」を上顎右側・左側 下顎右側・左側 と同一基準で「歯列彎曲」を見比べてみたものです。同一人物にもかかわらず、4面とも「歯列の形態」がすべて異なっています

こちらは、3人の異なる下顎の「歯列」を見比べたものです。3人とも「歯列彎曲」がすべて異なり「歯列」がフラットに近い方もおり、「彎曲」の程度がキツメの方もおり、左右の「歯列」で歯列形態の「転換点」が異なる方もいらっしゃいます。

こちらは、「前歯ガイド形態」「冠状面」前方から、また下方から見比べたものです。「顎の偏位」のケースも見られます。すべての方の「前歯ガイド形態」でシンプルなものはまずありません

水色「右下方の斜面」 青色「左下方の斜面」です。「歯列」「歯牙」それぞれの形態が「右下方か」「左下方か」分類した例です

赤色「後下方の斜面」 グリーン色「前下方の斜面」です。「歯列」「歯牙」それぞれの形態が「後下方か」「前下方か分類した例です

歯牙の「接触状態」を把握する為には
ほぼ全てがこの様な「アシンメトリー形態」による
「擦り開け・擦り閉じる」 動作に加えて 下顎の場合は
「顎偏位」「顎高位・低位」(上記模式図で解説)
などのモーション解析も必要であります



生涯に渡ってわたしたちはこの歯を
「すり減らし」ながら無意識に
「触れたり」「触れさせなかったり」しております
また日頃 無意識に身体を動かしながらこの物理が
働いております

基本メカニズム解説 顎の動きについて  >

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