歯科医や歯科技工士が基本で学ぶ「 歯牙解剖学」では
私達が普段 無意識に行う「歯の擦り合わせ」である
"ガイド"と"ディスクルージョン"は解析不能です

下の画像では「先天的な歯牙形態」から、ゆっくり時間を経て後天的」すり減ったと観られる摩耗面(ファセット)形成されています。この「先天的」「後天的」形成されたべての各咬頭・隆線の「擦り合うメカニズム」を解読する手法が不可欠です。(要因を食事や歯ぎしりをだけ理由しますと隠れた要因の科学的解明からは遠ざかってしまいます)

人類学で学ぶ「 歯牙の比較解剖」つまり
先天的な「歯牙形態の種類」を分類する手法
後天的な歯牙咬耗面の「多様な斜面」を分類する手法
これらをそれぞれ「顎の位置」と「動く方向」における
"ガイド"と"ディスクルージョン"を各種シミュレーションする
ことが可能な手法でなければなりません。

例えば 歯牙の個性ある3次元形態を分類する
方法として このような手法を用います

第一大臼歯・第二大臼歯の、咬頭および隆線は、前頭面(顔面を前から観察)矢状面(顔面を横から観察) から、通常このように観察します。

前頭面

矢状面

こちらの 各咬頭・隆線の3次元形態を
下顎の対合歯と「咬み合う」「斜面形態」
と捉えてみます

先の「斜面の物理」(リンクはこちら)で解説しましたように、上下顎の各歯牙咬頭・隆線などの「形態」「斜面」として捉えることが出来、また、前頭面矢状面 それぞれの視点から「斜面に分類」することで、「歯牙の接触」物理的に解析する事ができます

実際の歯牙の斜面を分類し色分けした例がこちらです(大臼歯)

一般的に歯牙の「斜面」を判断する際には、前頭面観察の A点B点C点 は使われます。それも含め、同一「斜面」における視点方向を変え矢状面観察での咬頭および隆線仰角(後下方斜面)俯角(前下方斜面)に分類します。 (この仰角か ? 俯角か ? もしくは水平か ? 傾斜角の違いは? の判断はとても重要です)

犬歯を含む前歯部の「形態解析」の手法として
臼歯とは異なり
上・下顎のU字形に並んだガイド斜面が「相互し合う」ため
特に 「ガイド部形態」を重視します

前頭面下方から観た前歯ガイドの考察

前歯・犬歯部では 上下顎の「咬み合う」「ガイド部形態」の
左右差の量 (アシンメトリー量) と 上下顎の被蓋(OB OJ) の量が
臼歯の「多様な斜面」と歯列(彎曲) に大きく相関します

参考 前頭面からの前歯・犬歯被蓋(OB OJ) の各種タイプ

矢状面から観た切歯 「斜面形態」を分類し色分けした例

矢状面から観た犬歯「斜面形態」を分類し色分けした例

犬歯ガイド時の「咬み合う」「斜面形態」を分類し色分けした例

前頭面から観た犬歯「斜面形態」を分類し色分けした例

臼歯部の各咬頭・隆線の「各斜面」は
顎の動く方向 (前方・後下方・右側・左側)によって
"ガイド"と"ディスクルージョン"の役割が転換いたします
"同一斜面"における「接触」と「空隙」が転換しますので
各歯牙咬頭・隆線の「各斜面の違い」を「咬合高径の変化」
と物理的に置き換え 「顎の位置」と「動く方向」における
各種シミュレーションして役割を解析します

矢状面 前頭面からの小臼歯「斜面形態」を分類し色分けした例

矢状面 前頭面からの大臼歯「斜面形態」を分類し色分けした例

基本メカニズム解説 歯の並びの解析法  >

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